パテックフィリップを売却する際に保証書は重要!役割や紛失した場合のリスクを解説

「パテックフィリップの保証書って本当に必要?」

「保証書をなくしたらどうなるの?」

このように、高級時計パテックフィリップの保証書について疑問を持つ方は多いのではないでしょうか。

パテックフィリップの保証書は、時計の信憑性を証明する重要な書類で、再発行ができません。

保証書の有無は、アフターサービスの利用や買取価格に大きく影響を与え、紛失すると数十万円単位で価格が下がることもあります。

本記事では、パテックフィリップの保証書の役割や重要性、紛失した場合のリスクなどについて詳しく解説していきます。

目次

パテックフィリップの保証書とは?

パテックフィリップの保証書は、その時計の真正性を証明する非常に重要な書類です。

この証明書は、時計が正規ルートで販売されたことを示す唯一無二の証明書であり、再発行が不可能という特徴があります。

ここでは、保証書の記載内容や保証期間について解説していきます。

保証書の記載内容

保証書には主に以下の情報が記載されています。

  • ケース番号とムーブメント番号
  • 型番
  • 購入日
  • 購入した店舗の情報

これらの情報は、時計が正規品であることを示す証明となるだけでなく、メーカーによる2年間の保証を受けるために必要になります。

保証書の記載内容が少しでも改ざんされたり、手が加えられたりすると保証が受けられなくなる可能性があるので注意が必要です。

保証期間

パテックフィリップの保証期間は、購入日から2年間です。

この保証期間内であれば、世界中のパテックフィリップ正規サービスセンターで無償修理サービスを受けることができます。

保証の対象となるのは、普通な使い方をしているときに発生した自然な故障に限られます。

ただし、以下のような場合は保証期間内でも有償となることがあります。

  • ベルトの交換
  • ブレスレットのコマ調整
  • 外装の仕上げ(傷を取る作業など)

パテックフィリップでは保証期間が過ぎた後も、永久修理を掲げており、創業以来製作された全てのモデルの修理に対応しています。

製造年の確認方法

パテックフィリップの製造年を確認するには、主に2つの方法があります。

1つ目は、保証書に記載されている4文字のアルファベットコードから製造年月を知ることができます。

たとえば、「PTPE」というコードは「0203」を意味し、2003年2月の製造であることを示しています。

ただし、このコードシステムは2008年夏頃までの製造モデルにのみ適用されていました。

保証書がない場合や、より正確な情報を知りたい場合は、パテックフィリップの公式ウェブサイトから「Extract from the Archives」を取得できます。

この書類には、時計の種類、ムーブメント番号、ケース番号、製造日、販売日などの情報が記載されています。

なお、アーカイブの取得には150スイスフランの費用がかかり、発行までに約12週間かかります。

再発行は原則できない

パテックフィリップの保証書は、再発行が原則できません。

その理由は、後から商品だけを持ち込まれても、正規ルートで購入されたものかどうかの判断ができないからです。

ただし、先ほど説明したように代替として「Extract from the Archives」を取得することが可能です。

「Extract from the Archives」発行の手順
  1. パテックフィリップの公式サイトにアクセス
  2. 「Extract from the Archives」申請ページへ移動
  3. 必要情報の入力
    • 個人情報(氏名、住所、電話番号)
    • 時計の詳細(ムーブメント番号、ケース番号)
  4. 必要な写真のアップロード
    • 時計の全体写真
    • 文字盤の接写
    • ムーブメント番号の写真
    • ケース番号の写真
  5. 手数料の支払い(500スイスフラン)
  6. 申請内容の確認と送信
  7. 審査結果の待機(約12週間)
  8. アーカイブの受け取り

このように、保証書の再発行はできないですが、「Extract from the Archives」を取得することができます。

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2022年より購入後2年間は店舗が「保証書」を預かることになった

パテックフィリップでは、2022年8月から購入後2年間は保証書を店舗が預かる制度を導入しています。

この制度が導入された主な理由は、転売目的での購入を抑制するためです。

具体的には、保証書の有無は買取価格に大きな影響を与えるため、転売を目的とした購入を防ぐ効果があります。

ただし、保証書が預けられていても保証自体は有効です。

したがって、2年間は保証書が手元にないことを理解したうえで購入を検討する必要があります。

パテックフィリップの保証書を紛失した際のリスク

パテック フィリップの保証書を紛失した際のリスク

パテックフィリップの保証書を紛失した際のリスクには、以下の3つがあります。

  • 正規店でのアフターサービスに制限がかかる場合がある
  • 2年間のメーカー保証が受けられなくなる可能性がある
  • 買取価格が下がる可能性がある

それぞれのリスクについて詳しく解説していきます。

正規店でのアフターサービスに制限がかかる場合がある

正規店でのアフターサービスに制限がかかる場合がある

保証書には、時計のシリアル番号、購入日などの情報が記載されており、これらは正規のサービスを受ける際に必要となります。

具体的には、東京・神田にある「パテックフィリップ ジャパン・サービスセンター」では、スイス本社で徹底した研修を受けたスタッフが修理やオーバーホールを行っていますが、保証書がないとこれらのサービスを受けるのが難しくなる可能性があります。

したがって、パテックフィリップの保証書は大切に保管し、紛失しないように注意するようにしましょう。

2年間のメーカー保証が受けられなくなる可能性がある

2年間のメーカー保証が受けられなくなる可能性がある

パテックフィリップの保証書をなくしてしまうと、2年間のメーカー保証が受けられなくなる可能性があります。

たとえば、購入後2年以内に時計が故障した場合、本来なら無償で修理を受けられるはずが、保証書がないために有償での修理対応となってしまいます。

パテックフィリップの修理は高額になることが多く、数十万円以上かかることもあるため、経済的な負担が大きくなってしまいます。

買取価格が下がる可能性がある

買取価格が下がる可能性がある

パテックフィリップの保証書をなくしてしまうと、買取価格が下がってしまいます。

具体的には、保証書がない場合、数十万円単位で買取価格が下がることがあります。

なぜなら、保証書がないことで再販時の価格も下がってしまうからです。

特にパテックフィリップのような高級時計では、保証書の有無が買取価格に大きな影響を与え、場合によっては買取を断られることさえあります。

パテックフィリップは保証書があることで高く売れる

パテックフィリップの時計は、保証書があることで買取価格が大きく上がります。

その理由は、保証書が本物の証明となり、次の購入者に安心感を与えるためです。

保証書が買取価格に影響する理由
  • コレクターや愛好家は、付属品が揃っていることを重視する
  • 海外での再販時に特に重要視される
  • メーカーでの修理や保証サービスが受けられる
  • 鑑定にかかる時間と手間を削減できる

このような理由から、保証書があることで高価買取が可能です。

したがって、パテックフィリップを将来売却する可能性がある場合は、保証書を大切に保管しておくことをおすすめします。

パテックフィリップの人気モデルの買取相場

パテックフィリップの人気モデルの買取相場は、以下の通りです。

モデル型番買取相場
ノーチラス 5711/1A-010ノーチラス
5711/1A-010
1400万円前後
ノーチラス 5711/1R-001ノーチラス 
5711/1R-001
2200万円前後
ノーチラス 5712/1A-001ノーチラス 
5712/1A-001
1400万円前後
アクアノート 5167A-001アクアノート 
5167A-001
750万円前後
アクアノート 5164R-001アクアノート 
5164R-001
1300万円前後
アクアノート 5168G-001アクアノート 
5168G-001
1100万円前後
カラトラバ 5227R-001カラトラバ 
5227R-001
370万円前後
カラトラバ 6119G-001カラトラバ 
6119G-001
390万円前後
コンプリケーション 5396R-015コンプリケーション 
5396R-015
820万円前後
5905/1A-001 コンプリケーション 
5905/1A-001
700万円前後
キュビタス 5821/1A-001キュビタス 
5821/1A-001
1250万円前後
キュビタス 5821/1AR-001キュビタス 
5821/1AR-001
1350万円前後
キュビタス 5822P-001キュビタス 
5822P-001
1750万円前後

特にノーチラス、アクアノート、キュビタスの3シリーズが人気を集めており、高値で取引されています。

パテックフィリップの買取価格は近年右肩上がりとなっており、特にスポーツモデルの高騰が著しい状況です。

モデルや状態によって価格が大きく変動する可能性があるため、売却の際は複数の買取店で査定を受けることをおすすめします。

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パテックフィリップの保証書に関するよくある質問

シリアルナンバーは、ムーブメントと外装のどこに刻印されていますか?

パテックフィリップのシリアルナンバーは、ムーブメント番号がムーブメント本体に、ケース番号がケースバックの内側に刻印されています。

これらの番号を確認するためには、時計のケースを開ける必要があり、この作業は正規販売店または正規サービスセンターでのみ可能となっています。

また、保証書や「Extract from the Archives」をお持ちの場合は、そちらでシリアルナンバーを確認することができます。

並行輸入品でも保証は受けられますか?

はい、並行輸入品でも保証サービスを受けることができます。

保証書があり本物と証明できれば、並行輸入品であっても正規品と同様の修理やメンテナンスが可能です。

中古購入時にオーナー登録は必要ですか?

はい、中古で購入した場合でもオーナー登録をすることをおすすめします。

登録をすることで、パテックフィリップ・インターナショナルマガジンの無料定期購読や、メンテナンスやサービスをスムーズに受けることができます。

登録方法
  1. パテックフィリップの公式ウェブサイトから登録
  2. オーナー・レジストレーション・フォームに必要事項を記入
  3. 時計のケース番号とムーブメント番号の情報を共有
転売時にペナルティが課される条件はありますか?

パテックフィリップには明確なペナルティの条件があります。

主な条件として、購入後短期間での売却や、同一モデルの頻繁な売買が挙げられます。

特に、購入から数ヶ月以内に異なる所有者によってメンテナンスが依頼された場合は、転売とみなされる可能性が高くなります。

転売によるペナルティ
  • 新作や限定モデルの購入が完全に拒否される
  • 全世界の正規店での購入制限がかかる
  • VIPイベントへの招待取り消し
  • アフターサービスに制限がかかる

2023年からは新たな対策として、購入後2年間は保証書を店舗側で預かる制度が導入されました。

これにより、保証書付きでの転売が制限されています。

まとめ

この記事では、パテックフィリップの保証書に関する情報や、紛失時のリスク、買取価格への影響などについて詳しく解説してきました。

パテックフィリップの保証書は、正規品を証明する重要な書類であり、再発行が不可能という特徴があります。

保証書には、ケース番号、ムーブメント番号、型番、購入日、購入店舗の情報が記載されており、2年間のメーカー保証を受けるために必要です。

このように、パテックフィリップの保証書は、保証を受ける際や、修理、売却時に重要になるので、無くさないように大切に保管するようにしましょう。

執筆者情報

田崎 賢(たさき けん)
ブランド買取鑑定士

数万点にも及ぶブランド品売買の経験で得た知識から、ブランド品に関する旬な話題やお得な情報、購入時や売却時のポイントなどを発信しております。

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