エルメスのクリッパーが廃盤した理由は?中古市場の価格や人気のあるモデルを紹介

エルメスの人気腕時計シリーズ「クリッパー」をご存知でしょうか?

1981年に誕生し、2018年に生産終了となったクリッパーは、19世紀の大型帆船からインスピレーションを得た洗練されたデザインで多くの人々を魅了してきました。

しかし、生産終了の背景には、Apple Watch Hermesとのコラボレーションによる需要の分散、白蝶貝の資源減少による材料調達の困難さ、そしてブランド戦略の変更という3つの大きな要因がありました。

現在、中古市場では5万円から20万円の価格帯で取引されており、特に白蝶貝を使用したモデルは希少価値が高まっています。

この記事では、クリッパーの廃盤の理由、現在の市場価値、そして特に人気の高いモデルについて詳しく解説していきます。

目次

エルメスのクリッパーとは

エルメスのクリッパーは、1981年に誕生した、エルメスを代表する腕時計シリーズです。

この時計の特徴は、19世紀に活躍した大型帆船「クリッパー船」からインスピレーションを得た丸いケースデザインです。

船の舷窓をイメージした美しい丸みのあるフォルムと、ベゼルに施されたビスが特徴的です。

残念ながら2018年に生産が終了してしまいましたが、その洗練されたデザインと実用性の高さから、現在でも多くの方に愛され続けている時計です。

ビジネスシーンからカジュアルまで幅広く使える実用性の高さが、クリッパーの魅力といえるでしょう。

エルメスのクリッパーが廃盤になった理由

エルメスの人気シリーズ「クリッパー」が廃盤となった3つの理由について詳しく解説します。

Apple Watch Hermesとのコラボの人気上昇により、従来のクリッパーの需要が分散された

Apple Watch Hermes

エルメスのクリッパーが廃盤となった主な要因は、Apple Watch Hermesによる需要の分散にあります。

スマートウォッチの普及により、とくに20代から30代の男性を中心に、Apple Watch Hermesへの注目が集まるようになりました。

具体的には、Apple Watch Hermesには通常のアップルウォッチとは異なる、エルメス独自の文字盤デザインや高級レザーベルトが採用されています。

このように、エルメスの時計部門における戦略の変化と、新しい顧客層の獲得により、クリッパーシリーズの需要は徐々に減少していきました。

白蝶貝の資源が減少し、材料の確保が困難になった

白蝶貝の資源

エルメスのクリッパーが生産終了となった大きな要因のひとつに、白蝶貝の資源減少があります。

白蝶貝は、オーストラリアやインドネシア付近のアラフラ海で採取される貴重な天然資源ですが、近年の乱獲により漁獲量が著しく減少しています。

このような状況は、クリッパーの文字盤に使用される白蝶貝の確保が難しくなりました、

特にクリッパーナクレというモデルでは、文字盤に白蝶貝のシェルを使用しており、材料の入手が課題となっていました。

養殖による供給も検討されましたが、技術的な難しさから価格の高騰を招き、採算性の低下につながり、その結果廃盤になってしまいました。

ブランド戦略の変更に伴い、製品ラインの見直しが行われた

ブランド戦略の変更

エルメスのクリッパーが廃盤になった背景には、ブランド戦略の変更も大きく影響しています。

エルメスは時代とともに変化するファッションや消費者のニーズに応えるため、製品の見直しを行うことを決断しました。

この戦略的な判断により、伝統的なモデルは徐々にフェードアウトし、新しいデザインへと移行することになりました。

その戦略の変更で、クリッパーシリーズは生産終了の対象となったのです。

クリッパーの現在の価格

エルメスのクリッパーは、現在中古市場で幅広い価格帯で取引されています。

人気モデルの価格は、約5万円から20万円となっています。

モデル名品番価格帯
クリッパー クラシックCP1.32110〜20万円
クリッパーCP1.22220万円前後
クリッパーCL4.2101.5〜3.5万円
クリッパー ナクレCL4.22210〜20万円
クリッパーCL6.4105〜8万円
クリッパー クロノグラフCL210〜20万円
クリッパー クロノグラフCP110〜20万円
クリッパー クロノグラフCP210〜20万円
クリッパーCL4.2204〜8万円
クリッパーCP2.94115〜20万円

これらの価格は、あくまで目安であり、実際の取引価格は状態や需要によって変動します。

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中古市場でクリッパーが値上がりしている理由

エルメスのクリッパーが中古市場で値上がりしている理由について、それぞれの要因を詳しく解説していきます。

白蝶貝を使用したモデルの希少性が高まっている

白蝶貝を使用したモデルの希少性が高まっています。

なぜなら、近年の乱獲の影響で白蝶貝の漁獲量が減少しているからです。

クリッパーナクレは約20万円前後で購入できましたが、2018年に生産が終了しました。

現在では中古市場でしか入手できず、その希少性から、高価買取の対象となっています。

このように、白蝶貝を使用したクリッパーナクレは、素材の希少性と生産終了により、価値が上昇しています。

飽きのこないデザインにより、長期的な需要が維持されている

エルメスのクリッパーは、飽きのこないデザインにより、長期的な需要が維持されています。

具体的には、文字盤のシンプルさと視認性の高さ、エルメスの頭文字「H」が連なったブレスレットなど、細部にまでこだわりが感じられます。

また、ビジネスからカジュアルまで幅広いシーンで使えるバリエーションの豊富さも、長期的な需要を支える要因となっています。

このように、飽きのこないデザインと高い実用性を兼ね備えたクリッパーは、長く愛用できる腕時計として需要が高く、廃盤後も価値が落ちにくいのです。

ヴィンテージ時計市場の活性化により、廃盤モデルへの関心が高まっている

ヴィンテージ時計市場の活性化により、廃盤モデルへの関心が高まっています。

とくに生産が終了した廃盤モデルは、新品での入手が難しくなるため、希少性が高まります。

これにより、中古市場での価格が上昇し、投資対象としても注目されています。

例えば、エルメスの「クリッパー」は2018年に生産終了となり、現在では中古市場で価格が上昇しています。

このように、ヴィンテージ時計市場の活性化が、廃盤になったクリッパーの価値を高めています。

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廃盤後も人気なクリッパーのモデル

廃盤後も根強い人気があるクリッパーのモデルは、以下の通りです。

廃盤後も人気なクリッパーのモデル
  • クリッパー ナクレ CL4.230
  • クリッパー CP1.222.212/4970
  • クリッパー クロノグラフ CL1.310
  • クリッパー CL6.410.230/VBN

それぞれの特徴や人気の理由を紹介していきます。

クリッパー ナクレ CL4.230

項目詳細
文字盤白蝶貝
素材ステンレススティール、12個のダイヤモンド
サイズ24mm
ムーブメントクォーツ
買取価格3万円前後

「CL4.230」の最大の特徴は、文字盤に使用されている白蝶貝です。この素材が角度によって輝きを放ち、高級感があります。

また、ベゼルに配置された12個のダイヤモンドが、さらなる高級感を演出しています。

このモデルは、シンプルでありながらも上品な雰囲気があるので、カジュアルからフォーマルまで幅広いシーンで着用することができます。

廃盤となった今、その価値はますます高まっています。

クリッパー CP1.222.212/4970

項目詳細
文字盤白蝶貝
素材ステンレススティール、ダイヤモンド
サイズ24mm
ムーブメントクォーツ
買取価格2万円前後

「CP1.222.212/4970」は、大きくて視認性の高いアラビア数字やインデックスが配置されており、従来のモデルと比べて重量感があります。

また、ピンクゴールドメッキ加工が施されていることで、華やかな印象を与えることができます。

さらに、日付表示機能が搭載されており、シンプルな美しさと利便性を兼ね備えている点も人気の理由です。

クリッパー クロノグラフ CL1.310

項目詳細
文字盤ホワイト、ブルー、ブラック
素材ステンレススティール
サイズ30mm
ムーブメントクォーツ
買取価格3万円前後

「CL1.310」が人気な理由は、、スポーティさと上品さを兼ね備えたデザインにあります。

船窓をイメージしたベゼルと、クロノグラフ機能が見事に調和し、カジュアルからフォーマルまで幅広いシーンで活用できます。

また、サファイアクリスタルの風防や日常生活防水機能を備え、実用性も兼ね備えています。

長く愛用できる一本として現在も人気があるモデルです。

クリッパー CL6.410.230/VBN

項目詳細
文字盤グレー
素材ステンレススティール
サイズ31 mm
ムーブメントクォーツ
買取価格6万円前後

「CL6.410.230/VBN」は、カジュアルからフォーマルまでどんなスタイルにもマッチする汎用性の高さに人気があります。

31mmのボーイズサイズは、メンズとレディースの中間に位置することから、幅広い層からの支持を得ています。

また、豊富な文字盤のバリエーションやブレスレットの種類により、好みに合わせたカスタマイズが可能です。

エルメスのクリッパーに関するよくある質問

エルメスのクリッパーは現在も新品で購入できますか?

エルメスのクリッパーは、現在新品での購入が難しいのが現実です。

その理由は、2018年に生産が完全に終了し、廃盤となったためです。

しかし、一部の中古ブランド店では、新品同様の状態のクリッパーを取り扱っていることもあります。

もし、新品のクリッパーを探しているなら、中古ブランド店で探すのがおすすめです。

クリッパーの定価はいくらでしたか?

クリッパーの当時の定価は、モデルによって20万円台から70万円台までの幅広い価格帯でした。

型番当時の定価
CL4.210約8万円
CL4.230約12万円
CL4.231.214/3821約14万円
CL5.410約10万円
CL6.710.330/3754約14万円
CP1.310.220/4966約40万円

2018年に生産が終了しているため、現在は中古市場での取引が中心となっています。

エルメスの時計は何年くらい使えますか?

エルメスの時計は、適切なメンテナンスを行えば20年から30年は十分に使用できます。

特にクオーツ式の場合は5年程度、自動巻の場合は3年から5年程度を目安に定期的なオーバーホールを行うようにしてください。

ただし、メンテナンスを怠ると10年程度で寿命を迎えてしまう可能性があります。

定期的なメンテナンスを行うことで、エルメスの時計を長く愛用することができます。

クリッパーの初期モデルはいつ頃のものですか?

クリッパーの初期モデルは、1981年の発売開始から1980年代後半までのものです。

初期モデルは、ベルトが繋がっていない特別な仕様となっており、後のモデルとは大きく異なる特徴がありました。

これらのモデルは現在では希少価値が高く、コレクターからも注目されています。

メンズ向けのクリッパーの特徴は?

メンズモデルは、女性向けのものと比べてより大ぶりで存在感のあるデザインとなっています。

メンズ向けのクリッパーの特徴
  • ケースサイズが44mmと大きく、男性の腕に適している
  • クロノグラフ機能を搭載したモデルが多く、スポーティーな印象
  • ダイバーズウォッチタイプのモデル

メンズ向けのクリッパーは、大きなサイズ感と多彩な機能性を持ち、スポーティーな特徴があります。

まとめ

エルメスの「クリッパー」は、廃盤となった今、資産価値の高い腕時計として注目されています。

中古市場では、白蝶貝を使用したモデルや飽きのこないデザインにより、価値が上がっています。

特に「クリッパーナクレ」や「クリッパークロノグラフ」などのモデルは、廃盤後も根強い人気があり、高値で取引されています。

廃盤となったクリッパーは、今後さらに希少性が高まる可能性があるため、資産価値としての魅力が増していくかもしれません。

購入のタイミングを逃さないよう、市場動向に注目しましょう。

執筆者情報

田崎 賢(たさき けん)
ブランド買取鑑定士

数万点にも及ぶブランド品売買の経験で得た知識から、ブランド品に関する旬な話題やお得な情報、購入時や売却時のポイントなどを発信しております。

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